鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。

「相手の女性が困ったときに逃げるような男って……これは全然違うな。」


「えーっと、次に口だけで行動しない男……」


表示される文字をしばらくの間、復唱していたお兄ちゃんは、突然テレビを消した。


「あー、なんかつまんねぇ。」


「え？」


「全部鳳条と真逆なんだよ。」


え、？それってもしかして……


「鳳条先輩が完璧ってこと！？」


「……悔しいけど……まぁ、そう。」


「やったぁ！」


うんうん、やっぱり、鳳条先輩って凄いなぁ……。


「バカ。浮かれてる場合じゃないだろ。」


ペシッと頭を叩いてきたお兄ちゃん。


「完璧だからこそなんだよ。あいつ、顔も相当整ってるだろ。」