鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
「あの、私は大丈夫ですので!失礼します。」


自分を落ち着かせてから、私は2人に頭を下げて、資料室を出た。


ふぅ……。びっくりした……。


あんな美形な人達に見つめられるなんて…自分が惨めになる。


まぁ、レンくんの言うように気が動転しちゃっただけで、きっともう関わる事はないだろうし……


顔の熱が冷めていくのを感じながら、私は急いで教室へと向かった。



昼休み終了まで残り20分ないくらいといったところで、教室に駆け込んだ。


「あ、桜妃!大丈夫だった?置き手紙、ありがとう。」

「うん。ごめんね。お昼…食べてて良かったのに。」

「ううん!まだ時間あるし大丈夫だよ!一緒に食べよう。」


琴莉ちゃんの言葉に頷いて、私はお弁当箱に手をかけた。
< 15 / 302 >

この作品をシェア

pagetop