鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
「私とですか!?」


「ん、そう。」


「は、いっ!行きます!夏祭り!」


あぁ、マジで、なんでこんなに可愛いんだよ。


言動も、自然に上がる口角も、少しだけ下がった子犬のような丸い大きな目も、声色も………人間の領域を越している。


可愛すぎる、


鈍感すぎて、自分の可愛さも、モテてることも、自覚していないところも。


他の女のように、計算されたものじゃない。


無意識な、無自覚な、素の可愛さで唯一俺を殺せる。


「鳳条先輩?」


バカ。そんな可愛く名前呼ぶな。


ニヤケが顔に出そうになるから。


「8月28日、家まで迎えに行くから待ってろ。」


「はいっ、待ってます。」
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