鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
桜妃の可愛さには一生敵わない。


「…桜妃、課題終わったか?」


「あ、はい!終わりました!」


「ん、お疲れ様」


俺に頭を撫でられて、えへへと嬉しそうに笑ってみせる桜妃を、無性に抱きしめたいと思った。


が、桜妃を混乱させてしまうのは目に見えていて、その衝動を抑え、桜妃が荷物をしまうのを見守った。


あぁ、もう、この時間終わるのか、、


もっと、桜妃といたかった。


毎日1回会える、と言われても少ないぐらいだ。できることなら、24時間ずっと一緒にいたい。桜妃の笑顔を見ていたい。


だけど、桜妃を俺の気持ちで縛るつもりは全くない。


だから、立った。『送る』と言おうとして……


でもその時、桜妃が感嘆の声を上げた。
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