鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
「私、嬉しかったんです!熱のせいか、少しだけ、鳳条先輩が甘えてくれたので。」


は、??俺が甘えた?桜妃に?桜妃が言っているんだから、事実に決まっているが……全く記憶にない。


「覚えて、ないな。」


「仕方ないですよ、かなりの高熱でしたから…」


桜妃はそう言ってくれるけど、桜妃との時間を数分でも忘れている自分が不甲斐ない。


「それで、本当は鳳条先輩も誰かに甘えたいんじゃないかって思ってて。」


「だから!私に、私でよければ…甘えてください?」


不安だったのか?なんで疑問形なんだ、可愛すぎるだろ。


可愛い、桜妃がそう言うなら…甘えるのもいいのかもな…。


「いいのか?」


「はいっ!どうぞ!なんでも言ってください!」
< 163 / 302 >

この作品をシェア

pagetop