鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
「別に。」



冷ややかな返答。


あぁ、私、嫌われたんだ……大好きな人に。


やっぱりダメだった。


さっきのが、鳳条先輩から出た言葉だと信じたくなかった。


今、目の前にいるあなたが、鳳条先輩じゃなければ良かったのに……


「桜妃ちゃん、ごめん!今日は俺が送るよ」


私の不安な気持ちを汲み取ってくれたのか、こちらへ戻ってきてくれた天川先輩。


その優しさは、すごくすごく嬉しい。


だけど、今はその優しさが辛い。


「ありがとうこざいます、だけど、大丈夫です。兄に迎えに来てもらいます」


「え?ほんとに?大丈夫?」


「はいっ、今日はありがとうございました」


涙がこぼれないように目元に力をいれて、私は深く頭を下げた。
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