鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
私がもっと、そのことを笑い話に出来たら良かったのかもしれない。


傷まで見せて、すごく重い話みたいにしちゃったから、優しい鳳条先輩はきっとすごく困っただろう。


嫌われて当然だ。


「桜妃、とりあえず泣き止め。」


「うん、うん、」


「暴走族のことに関してはもともと俺の責任だから、桜妃も鳳条も悪くない。」


ううん、違うよ、お兄ちゃんこそ全く悪くない。


「お兄ちゃんは悪くない」


「ありがとう」


その返事からもお兄ちゃんは、まだあの時の責任を感じていることが分かる。


もういいのに……お兄ちゃんは何も悪いことしてないのに……


「まぁ、鳳条はそんなことで桜妃を嫌うはずないと思うけど…確かめてきてやろうか?」


「え?」
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