鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
琴莉ちゃんに連れてきて貰ったのは、鳳条先輩と、レンくんと、初めて話した資料室。


誰も居ない。開いたままの窓から風が入っていてきて、クリーム色のカーテンが音をたてながらなびいているだけ。


そこに……鳳条先輩が寝てたんだっけ、


「桜妃」


「桜妃!」


「…っ、ごめん、琴莉ちゃん。」


2回名前を呼ばれて、気づくなんて……ぼーっとしちゃってた。


今にも泣きそうな顔で、そんな私を見つめる琴莉ちゃん。


それから……


「桜妃……大丈夫だよ、、頑張ったね…」


ギュッと抱きしめてくれた。優しく、強く、温かく………


「ほんとはさ、もうやめて、違う人探そうとか言おうと思ったんだけどさ〜、桜妃はやだって言いそうだなって。」


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