鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
それが……俺と狼が一緒に行動するようになったきっかけだった……。


強く、優しい狼を俺は本気で尊敬していた。


いろんな女子に色目を使われても、断るどころか全部無視をするぐらいに女嫌いだった狼。


俺はそんな狼が少し心配だった。


この先、ずっと誰かを好きになることなんてないんじゃないかと。


だから、正直、狼が女子……成瀬さんに興味をもった時、本気で嬉しかったんだ。


まさか被るとは思ってなかったけど……


2人が大切だったからこそ、結局は身を引こうと決めていたのに……



成瀬さんのあんな顔を見たら…


俺が成瀬さんの笑顔を取り戻したい。
幸せにしたい。


成瀬さんが俺を……推しとしか見てないとしても……


俺は彼女が好きだから。
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