鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
「成瀬さん」


「レンくん!」


レンくんと呼ばれる度に、俺は成瀬さんにとって推しでしかないことを自覚する。


『レン』と『蓮』響きは同じなのにな。


「どうしたんですか?」


「……LIVE来てよ。」


チケットを渡されて困惑した様子の成瀬さん。


「あのっ、私……実はそのLIVEファンクラブの先行で当たってて……」


っっ、マジか……最初から来てくれるつもりだったんだ……


「分かった、、待ってる。」


「はいっ、楽しみにしてます!」


ずっと、文面でしか知らなかった君が……今、目の前にいる。


そして、俺を見て笑ってくれている。


それが嬉しくて、照れくさくて、俺はいつもより緊張した状態でLIVEの日を迎えた。
< 223 / 302 >

この作品をシェア

pagetop