鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
「鳳条先輩にっ、会いたい……」


「あぁ、ごめんな……桜妃。」



私は、お兄ちゃんが広げてくれた腕の中で、声が枯れそうになるまで、泣き続けた。


「鳳条先輩……大丈夫かな。」


「大丈夫だよ。だって、あいつ強いんだろ?」


「うん、強いよ、だけど……」


暴走族の抗争なんて、怖くて危ないイメージしかないから……。


鳳条先輩が怪我をしてしまうのが怖い。


暴走族の人の怖さを知っているからこそ……


「安心しろ。危なそうだったら俺も行くし」


「お兄ちゃんまで危ないとこに行こうとしてるの!?ダメだからね!」


みんな……そんなに体を張らなくていいのに……


なんでそんなに危ないことをするの??


「ごめんって、そんな怒んないで。」
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