鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
「はいっ……」


「たくさん傷つけて……ごめん」


辛そうに顔を歪ませて、私を見つめる鳳条先輩。


もう、いい。今は、こうして……一緒にいられてるんだから…


大丈夫だから……どうか笑って欲しい。


あのお祭りの日から、ずっと鳳条先輩の笑顔を見れてない。


「鳳条先輩……笑ってください」


「……あぁ。」


そう言って、私の頬に手を重ねた鳳条先輩の姿を、私はずっと忘れないだろう。



「お取り込み中悪いんだけど、いろいろ確かめないといけないことが……」


少し離れたところで私たちを見ていたお兄ちゃんが、横にしゃがみこむ。


「あーじゃあ、俺は仲間の方何とかしときますね、ここは俺に任せて、行ってください。」


天川先輩は、苦笑いで倒れている鳳凰の人達?を指差す。


「分かった。じゃあ桜妃、鳳条、1回家帰るぞ。」
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