鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
あれ、これどういう状況……


意味がよく分かっていないまま鳳条先輩に手を引かれる。


玄関を出る直前、お兄ちゃんの方を振り向くと、お兄ちゃんの口は『頑張れ』という動きをしているように見えた──




───「鳳条先輩!一体どこに」


「桜妃と、2人きりになれるとこ。」


っっ、、はいっ、はいっ、……


鳳条先輩は大きな公園に入って、小道を歩いていく。


「桜妃、」


私の名前を呼んで立ち止まった鳳条先輩。


「はい」


「俺が、酷い態度ばっかとってたのに、諦めないでぶつかってくれたの、すげー嬉しかった。」


あぁ、良かった……あれ、迷惑じゃなかったんだ。嬉しかったんだ……。


「資料室、行かなくてごめん。」


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