鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
狼くんは……もう慣れたのかな……


いるだけで、みんなにキャーキャー言われる狼くんの少し後ろを歩く。


『本当に付き合ってるのかな』


『どっちから告白したんだろう』


『私も鳳条様と付き合いたい』


そんな声が沢山聞こえる。


こんなにたくさんの人に見られるの…慣れてないから恥ずかしくてしょうがない。


ごめんなさい、ごめんなさいという気持ちで、すれ違いざまに会釈をしていくと、突然狼くんが立ち止まって、私はそのまま鼻をぶつけてしまった。


狼くん?どうしたんだろう?


「蓮」


蓮……その名前に反応して、私は右側から狼くんの目線の先を覗く。


…あ……レンくん…


『キャー!!2人が揃ってる!!』


この2人がいると、やっぱり歓声がおこる。
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