鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
そんなふうに、思ってんだ……


狼くんは、自分を臆病だなんて言ったけど、臆病なんかじゃない。


だって、みんな悩みがあって当たり前だから…


「狼くん」


狼くんの名前を呼んで、綺麗で男らしいその手を両手で包むように握る。


「私、狼くんが他の女の子と話さないでいてくれるの、私だけ特別扱いしてもらってるみたいで嬉しいです。おかげで不安もないし…」


「それに、私のために暴走族をやめようとしてくれたのも、私を守るためにいろいろ考えてくれたのも、今こうして……大切にしてくれてるのも、全部全部、ありがとうの気持ちでいっぱいです!」


狼くんが不安なら、私が沢山沢山伝えていけばいい。


大丈夫だよって……


「嫌いになんてならないです、だって、こんなに大好きなんですもん」
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