鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
本当に……琴莉ちゃんが言うように、狼くんが私のコスプレだけで喜んでくれるなら……勇気を出してみようかな。


「頑張る……」


琴莉ちゃんには一旦後ろを向いてもらって、その間に急いで着替えた。


これ、寒い……


足出すぎてるし……


「こ、琴莉ちゃん」


私の呼びかけに物凄い反応速度で振り向いた琴莉ちゃん。


それから、


「待って!!!桜妃可愛すぎる!!」


反射的に両手で顔の鼻から下を覆ったあと、私に向けてスマホを構え始めた。


「どの角度も可愛すぎる、どうしよ、これは鳳条先輩倒れる……」


カシャカシャと途切れることなく、鳴っていくシャッター音。


「琴莉ちゃん?えっと?」


「あ、ごめんね!じゃあ早速パーティー始めよう!」


「うん!」
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