鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
「はい!」


「ここに何の用ですか?」


目の前に立っているのは見たことがないくらい美しい女性。


だけど、理由も分からずその人の瞳は凍っている。


突き放すような冷たい口調に少し後ずさってしまう。


「えっと、待っている人がいて…」


「狼のことですか?」


「え、?」


なんで……なんで狼くんのことを知っているの…??


狼くんの知り合い?


「あなたも狼の追っかけですか?ほんと、まだ止まないの、?」


追っかけ……??なんのことだろう、


「えっと…」


「狼はこんなの大嫌いですし、すごく迷惑なので。」


分かってる、私が今ここにいることが、その追っかけ…?ってやつなら、狼くんはきっとすごく嫌がるだろう。


だけど…私は今日、ちゃんと狼くんと約束してここに来た。
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