鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
「あ……」


「ふふっ、狼来ちゃったから…また今度話聞かせてね」


「も、ちろんです!」


こちらへ戻ってきて、すぐに私の手をとった狼くん。


「行こう。」


「はいっ、」


「行ってらっしゃい〜」


お母さんに見送られて、私たちは駅へ向かった。



「さっき、何を話してたんだ?」


「ふふ、なんでもないです」


「…そうか、」


狼くん……どこか悲しそうで、申し訳ないけど…これは私と狼くんのお母さんだけの秘密にしておこう、


「今日、本当に買い物だけでいいのか?」


それから、話題を変えた狼くんは どこでもいいのに と言うように聞いてくれる。


「狼くんといれるなら、どこでもいいんです」


狼くんがいるなら、本当は公園でも楽しいのを私は知っているから…
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