鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。

もしかして……さっきの聞かれてた……？？


あぁ……私、終わったかな…暴走族の総長さんの前で嫌いなんて……どんな失言……


「あの……鳳条先輩……」


怒られる、という言葉じゃ済まされないことを理解しながら、恐る恐る名前を呼ぶ。


と……鳳条先輩は優しく口角を上げてから、腰を屈めて、私にグッと顔を近づけた。


そして…


「桜妃が嫌ならやめる。」


と呟いた。


「へっ、？お、怒ってないんですか……」

「なんで？」


鳳条先輩は私の言葉の意味が分からないというように首を傾げてみせる。


「桜妃に怒ることなんて何もないけど。」

「っっ、、」


すると、鳳条先輩は琴莉ちゃんの方を見て、


「桜妃借りる。」


なんて告げた。