鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
琴莉ちゃんは、言葉を発しないで、コクコクと首を何度も繰り返して縦に振った。


当の私は……鳳条先輩に手を引かれて、教室を出る。


すれ違う人達はみんな私を見て、驚いたような顔をしてから、申し訳なさそうにすぐ目を逸らす。


……鳳条先輩が凄いからだろうな…。なんとなく分かる…。


鳳条先輩、ぐんぐん進んでいくけど…どこに向かってるんだろう…。


「鳳条先輩……一体どこに…」

「鳳凰の溜まり場。」


鳳凰って、鳳条先輩の暴走族だよね!?そんな所…部外者が入っていいの!?


「鳳条先輩、ダメです。無関係なのに。」

「大丈夫だ。溜まり場は、許可がない日は総長と副総長しか入れない。副は滅多に来ないし。それに…」


人気がなくなった廊下で、鳳条先輩は足を止めて、私の方に向き直った。


「桜妃は無関係じゃない。」
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