鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
……その言葉がどんな意味を示しているのかは全く分からなかったけど、私は何も言えなくて、ぎゅっと下唇を噛んだ。


校舎の隣に建っていた大きな溜まり場。


内装は漆黒で統一されている。


凄い……。


部屋の中を見渡して、感動していると、鳳条先輩はソファーに座って、自分の横をぽんぽんと叩いた。


座ってと言うように。


戸惑いながら隣に座ると、鳳条先輩は私の目を真剣に見つめながら、口を開いた。


「桜妃、嫌なこと全部言って。」

「え?」


嫌なことって……さっきの事だよね??


「桜妃が嫌なら、全部やめる。」

「……私、別に嫌なこと……ないですよ?」


暴走族が嫌いとは言ったけど、鳳条先輩のことじゃないし…。

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