鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。

6(恋という名の魔法)

6 (恋という名の魔法)


特別寒くも暑くもない5月の今日、私はいつも以上に憂鬱さを感じていた。


なんでかっていうと……


「桜妃、次の時間、持久走だよ。」


「…うん。」


琴莉ちゃんは心配そうな表情を浮かべて私の顔をのぞく。


「女の子の日、大丈夫?」


そう、今日は女の子の日2日目。


お腹には激痛がはしっていて、いつも以上に重いのに、なんと体育は持久走をやるっていう…。


「休んだ方がいいんじゃない?」


「…う、ん。見学させてもらおうかな。」


「うん。それがいいね。」


お腹に手をあてながら、琴莉ちゃんの隣を歩く。


「無理しなくていいんだよ。」


そんなふうに琴莉ちゃんは言ってくれるけど…。
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