鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
ほ、うじょう先輩……心配してくれてるのは分かるんだけど、サラッと、すごく物騒なこと言ってる…


自分でも分かるくらい、なんとも言えない表情を浮かべてしまって、私はそっと、先輩の綺麗な顔から視線を外した。



鳳条先輩が開けてくれた保健室のドアの向こうには誰もいなかった。


「誰もいねぇな。」



私に話しかける訳ではなく、独り言のように呟いた先輩は、優しい手つきで私をベットの上にねかせた。



「何か欲しいものあるか?」



違うの、なにか「もの」が欲しいわけじゃない。私はこういう時……



「鳳条先輩、傍にいてくれますか?」



誰かの温もりを感じていたい。


少し楽になったから、声も出せた…。
良かった…。



「………」



私の言葉に対して先輩は何も言わない。


え、やっぱりダメだったかな、そ、うだよね、鳳条先輩だって次の授業があるし、私みたいに暇じゃない。

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