鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
「じゃあ、なんで……」


こんな扱いを受けてるんですか。そう聞き切る前に、もう一度、周りの人達が揃って頭を下げた。


「鳳条(ほうじょう)様!おはようございます!」


ほう、じょう……??


「あの方よ。あの方の影響で、レンくんもこんな扱いを受けてるの。」


小さな声で、目線を前に動かしながら教えてくれた先輩。


「あの方……」


恐る恐る先輩が見つめる方向に視線を向けると、そこには…超絶美形な先輩が、周りを威圧するようなオーラを放ちながらレンくんの後ろを歩いていた。


うわぁ……遠くからでも分かる顔の小ささと、背の高さ……身長、私と30cm差ぐらいあるよね?


両耳につけられたピアス。それに髪の毛の色……綺麗な銀色…。太陽の光で余計輝いてる。


でも、なんか雰囲気が………一言で言うと…そう。


「一匹狼みたい…。」
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