鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
「ね、桜妃ちゃん、ハチマキ交換しよ。」


「ハチマキ??何かあるんですか?」


「体育祭、第2のジンクス、女子が話してんの聞いたんだよね。」


そうなんだ…。でも内容を聞かないと返事出来ない。


「狼にも言ったんだけどなぁ、、興味ないみたいだね。」


副総長さんは、さっきからずっと鳳条先輩の様子を伺っているみたい。


少しピリピリした様子の鳳条先輩は眉毛をひそめる。


そして、鳳条先輩は、副総長さんを私から引き離すと、いつもの優しい声色で私の名前を呼んだ。


「桜妃、」


「は、い?」


「ちょっと来て。」


言われるがままに先輩の後を追う。


鳳条先輩がいると、自然と道は開いていく。


みんなが遠くから鳳条先輩を見つめて、顔を赤くしている中、私は鳳条先輩の後ろにぴったりとくっついている。
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