鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
初めはその意味が分からなくて首を傾げたけど、私を抱えたまま物凄いスピードで走って、ゴールへ向かう姿から、やっと言葉の意味が分かった。


確かに風を直で受け続けるこの速さは少し怖いかも。


だけど、それより私は周りからの視線の方が気になってしまう。


恥ずかしくて顔を埋めているうちに、鳳条先輩が1位でゴールテープをきったみたいで、大きな歓声が私の耳に届いた。


え、、、1位??


てことは、、借り物競争のジンクス叶っちゃった??


いや違う、決して嫌だった訳ではない。だけど、流れが完璧すぎて、、いろいろびっくりしちゃった。


ん、?待って、普通は嫌だって思う??だって、好きじゃない人と結ばれるってことだもんね。


心の中で自問自答する。
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