鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。

10 (君はほんとにずるい人)

10 (君はほんとにずるい人)
[狼side]


俺の事をずるいと言って、逃げるように走っていってしまった桜妃。


どういう意味なんだ??


でも、わざわざ弁当なんて作ってきてくれたんだよな。大変なはずなのに。


それを考えると嫌われてはないのだと思う。


「狼??桜妃ちゃんは??」


彗斗に呼ばれて、俺は部屋の中に戻る。


「どうしたんだ、それ。」


俺の手元にある弁当をいち早く見つけた蓮は目を丸くしている。


「なになに、桜妃ちゃんの手作り??」


おどけた様子で聞いてくる彗斗に「まぁ、」と若干曖昧な返事を返す。


俺の後をついてくる彗斗を振り払って、弁当を開いてみるとその中は綺麗に敷きつめられていて、俺からすれば宝箱だった。
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