鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
裏庭について辺りを見回すけど、みんなリレーに夢中なのか、人がいない。


「成瀬さん。」


「レンく、あ、京極先輩……」


私が慌てて言い直したのを見て、レンくんはふっ、と優しい笑みをこぼした。


「レンくんでいいよ。」


「あ、ありがとうございます。」


なんか、レンくんの接し方が違う気がする。
気のせい??


「ねぇ、成瀬さん」


「はい?」


「これ、成瀬さんだったんだね」


レンくんの手にあるのは、白いレースの封筒。


「これだけじゃないんだけどさ、」


見覚えが、ありすぎる。あれは、私が…レンくんにファンレターを送るために作った封筒。


「成瀬 桜妃さん。ずっと応援してくれてありがとう。」
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