鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
え、え、?レンくん、気づいたってこと?なんで?ただのファンの中の1人にすぎないのに、?


「えっと、」


「俺は、ずっと君に救われてました。」


頭はパニック状態で、レンくんの綺麗な瞳に捉えられて、何も考えられなくなる。


「芸能界に入ってすぐの俺に、1番最初にファンレターをくれたのは成瀬さんだったんだよ。それがどんなに嬉しかったか。それからも週一で送ってくれる手紙が俺の心の支えでした。そのうちに、いつしか成瀬さんって、どんな人なんだろうって考えるようになって、この子に隣にいてほしいって思うようになりました。」


それこそ手紙の文を読み上げるように言葉を発するレンくん。


そして…………


「俺は……顔も声も知らない、君に、恋をしました。」


私はまさかの言葉を耳にした。
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