鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。

「ぜ、是非！！その、私は、成瀬 桜妃って言います！よろしくねっ！」

「よろしくね！私のことは琴莉とか好きなように呼んでね！桜妃って呼んでいい？」

「うん！呼んで！」


人懐っこそうな琴莉ちゃんの笑顔はとっても可愛くて、私が男子だったら一瞬で好きになっちゃうんじゃないかって思うほど。


「良かったぁ…。みんなさっきの話で持ち切りだったから、友達出来るか不安だったの。」


と、胸を撫で下ろしながら、眉毛を下げた琴莉ちゃん。


「う、ん。私も！その、鳳条……さん？とかどういう人なんだろうね。」


ふと思った疑問をこぼす。


「あ、私、みんなが話してるの聞いたんだけどね、鳳凰（ほうおう）っていう、広く名をとどろかす暴走族があるらしくて、3年の鳳条 狼（ほうじょう ろう）先輩はそこの総長なんだって。」