鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
そう言って、体を離す鳳条先輩。


「待って、ください…。」


嫌じゃない、むしろ心地良い。あの人たちに触られた時とは全然違うの。


安心する、優しい腕の中。


「もう少し、このままでいたいです。」


そう言って私は、正面から鳳条先輩に抱きついた。


「っっ、」


鳳条先輩は言葉にならない声をもらす。


だけど、すぐに私を抱き締め返してくれる。


「桜妃。」


「はい、?」


「怖かったよな。よく頑張ったな。」


あぁ、、もう、鳳条先輩はどうしていつもそんな言葉をくれるの、?


ドキドキしすぎて、逆に心臓止まっちゃいそう。


「先輩……」


「ん、?」


震えが止まらない手を見せると、鳳条先輩はすぐに気づいて私の手をぎゅっと握ってくれた。
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