鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
『今日、帰り遅くなります。』


そんなメッセージを送信してからすぐにスマホをしまう。


でもそうしてしまうと本当にやることがなくなる。


そんな状況の最終策として私は、部屋中を見回したり、時に大好きな鳳条先輩の寝顔を見てみたり…と、ただひたすらに時間をつぶしていた。




19時。そろそろ帰らなきゃまずいかな。ここから自宅までは思ったより距離があるみたいだし。


鳳条先輩…起きないかな。


…なんてね笑


……と、失笑した私の思いはどうやら届いたらしい。



「え、桜妃?」


「あ、おはようございます、先輩。」


「おは、よう…って、もう帰ったのかと思ってた。」


「…え、だって。鳳条先輩が言ったんじゃないですか。」
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