鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
それは………きっと言われなくてもしないと思う。


「……はい、」


「…桜妃、家まで送ってく。」


『もう遅いから、1人で帰すの心配。』と付け足す先輩。


好きな人に、こんなふうに言われて、断れるわけがない。


でも…


「先輩、熱は…」


「もう下がった。」


「え?」


本当なのか、と戸惑う私に鳳条先輩は顔を近づけてきて、自分のおでこを私のおでこにくっつけた。


「ほら」


と不敵に笑って。
っっ!!?? いやいや近すぎでしょ!?


ドキドキして、私のおでこが熱くなってる気がする。


ほんとにずるい。


「…それなら……良かったです。」




私にはそう言うことしか出来ないんだから──
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