この恋はDDで。
「いらっしゃいませ、片桐様。お待ちしておりました」
午後四時過ぎ。片桐様が到着された。
片桐様のお部屋には、三橋さんから受け取ったストレリチアを花瓶に生けて飾った。これでまた、ご主人との楽しい時間を思い出してもらえるだろう。
三橋さんと馬場は、あの後二人で帰って行った。デートの続きをするのかもしれない。俺にはもう、関係の無いことだが。
所詮、三十も過ぎた男の、不器用な片想いだ。誰かに話せば笑われてしまうような、そんな恋。いい機会かもしれない。三橋さんのことは忘れて、仕事に邁進すればいい。俺にはその方が合っている。どうせ、初めから無理な恋だったんだ。こうして同じ職場で再会できただけで、十分じゃないか。
一通り業務を終え、ロッカーで着替えを済ませる。間もなく午後八時を迎える。今日はいつも以上に長い一日だった。
久しぶりにバーにでも寄って帰るか。
今夜は少し飲みたい気分だ。
従業員出入口から外へ出ると、空はすっかり日が暮れていた。夜風が心地良い。
「小鳥遊さん」
ふいに名前を呼ばれ、振り向くと、そこにはとうに帰ったはずの三橋さんが立っていた。
午後四時過ぎ。片桐様が到着された。
片桐様のお部屋には、三橋さんから受け取ったストレリチアを花瓶に生けて飾った。これでまた、ご主人との楽しい時間を思い出してもらえるだろう。
三橋さんと馬場は、あの後二人で帰って行った。デートの続きをするのかもしれない。俺にはもう、関係の無いことだが。
所詮、三十も過ぎた男の、不器用な片想いだ。誰かに話せば笑われてしまうような、そんな恋。いい機会かもしれない。三橋さんのことは忘れて、仕事に邁進すればいい。俺にはその方が合っている。どうせ、初めから無理な恋だったんだ。こうして同じ職場で再会できただけで、十分じゃないか。
一通り業務を終え、ロッカーで着替えを済ませる。間もなく午後八時を迎える。今日はいつも以上に長い一日だった。
久しぶりにバーにでも寄って帰るか。
今夜は少し飲みたい気分だ。
従業員出入口から外へ出ると、空はすっかり日が暮れていた。夜風が心地良い。
「小鳥遊さん」
ふいに名前を呼ばれ、振り向くと、そこにはとうに帰ったはずの三橋さんが立っていた。