明日には居ない君の物語
「熱なんてねぇよ」

不機嫌そうに要は言う。

「うっそだぁ!」

「涼香、お前そうやって無理して明るく振る舞うのやめろよ」

「……なんのこと?私、別に無理なんてしてないんだけど?」

わかってる、要に嘘なんて通用しない事くらいわかってる。

それでも今は抗いたい。

今私がこの強さを捨てて、素の私に戻って仕舞えば私が私でなくなってしまう気がしたから…。

「はぁぁぁぁぁぁ。涼香が嘘言ったところで俺には絶対通用しないってわかりきった上で嘘ついてんだろ?…ほんと馬鹿だよな」
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