明日には居ない君の物語
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要side

涼香は小走りで吸入を玄関から自分の部屋へとりに行った。

「ねぇ、要くん」

先ほどまで楽しそうに笑ってた涼香のお母さんが真面目な顔をして俺に話しかける。

「はい」

「涼香はね、体がお世辞にも強いとは言えない。学校の体育すらも出来ない。それに、最近食べる量も減ってきてる。私だって、看護師だから涼香が体調悪いこと隠してることくらいすぐわかる」

涼香のお母さんだって気がついてた。

親父だって勿論気づいてた。

ずっと側に居るも気づいてた。

「だからね、涼香には要くんが必要なの。きっと、私たち大人に話しにくいことも要くんにならあの子は話せると思うの。お願いだから、あの子の側にずっと居てあげてほしい…」

そう言うおばさんの声は震えていた。

「はい。分かってます。…俺は絶対涼香の側を離れない」

「ありがとう」

ニコリと微笑む顔は涼香に瓜二つだった…。

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