明日には居ない君の物語
楓さんは楓さんでめっちゃニコニコ…いや、ニヤニヤしてるし。

「え〜、お楽しみのところ悪いけど、涼香ちゃん少し話を聞いてもらえるかい?」

「あ、秋来先生…」

先生の横にはお父さんとお母さんも立っている。

3人の顔を見て、さっきまで上がっていた体温がサーッと引いて行くのを感じる。

「涼香ちゃん、君の体は、病気の進行が早い。喘息だって、良くはなっていないが進行はしていなかった。だが、狭心症の発作が起きるたびに、体がびっくりして喘息の発作も同時に出ることもあるだろう。その逆もまたしかり、だ。そうすれば、喘息は少なからず悪くなる」

隣に居る要が私の手を握ってくれる。

楓さんが心配そうな顔で私を見てる。

きっと、この部屋にいる誰もが、私が震えていることを怖がっている事を知っている。
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