明日には居ない君の物語
進行が早い病気。

自分の体の中は見えないのだから、何が起こっているのかもわからない。

もしかしたら進行速度が遅くなるかもしれない。

急激に進行するかもしれない。

そんな恐怖を死ぬまで背負うのだから…。

「…秋来先生、単刀直入に聞きます。私、あとどれくらいですか…」

発した声はすごく震えていた。

怖い。

本当は聞きたくない。

死にたくない。

もっともっと要と一緒に居たい。

要だけじゃない。

家族も冬菜もいろんな人ともっと一緒に居たい。

「涼香…」

要が優しく私を呼んで、自分では気づかなかった、私の涙を拭いてくれる。

「何が起こるかわからない。でも、今の状態のままだと、一年生きられるかどうか…。短ければ半年程度…」
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