明日には居ない君の物語
「喜んで」

「要まで!やめてよ!!ねぇ、なんとか言ってお父さん!」

………

放心状態で使い物にならない父…。

「あぁ、もう!!ケホツ…もう好きにしたらいいよ……!」

やば…叫びすぎて咳出てきた。

「涼香ちゃん、ゆっくり深呼吸だよ。要は、涼香ちゃんの吸入取って。才崎さんは、もう出来上がってると思うから薬貰ってきて」

秋来先生がテキパキと指示を出す。

「ケホツケホケホツ………ケホツ…ツ!」

痛い…苦しい……。

なんでこんなに苦しいのか自分でもわからない。

ただひたすらに私の心臓を私の身体に潜む“死神”が私を苦しめる…。

少しずつ意識が遠のいていく。

秋来先生が吸入を近づけてくれる。

それでも私の身体は落ち着かない。

痛みで呼吸をするのもままならない。

もう、私の目の前は暗くなる寸前、全身から力が抜けていく感覚がする。

『涼香!!』『涼香ちゃん!!』
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