明日には居ない君の物語

回想

「要ーーー!」

要の姿を見つけた瞬間に私は名前を叫んだ。

部活終わりに一緒に帰れるのは珍しくて、いつもは美術部の私の方が先に帰っている。

「涼香、お前あんまり叫ぶなよ。肺に影響する」

要は医者志望で、親が病院経営をしているのもあってこういう時すごくめんどくさい。

ていうか、ちょっと叫ぶくらいならどうってことないし!!

要は本当に過保護だ……過保護すぎるくらいに………。

「はいはい、私が悪ぅござんした」

「ほんとに思ってんのかぁ?」

要はいかにも「疑ってるからな」って顔をしながら私に言う。

「思ってますー。その顔は信じてないでしょ?」

「当たり前だろ。お前前科ありなんだから」

「前科ありって酷くない!?その言い方じゃ、私がまるで犯罪者みたいじゃん!」
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