明日には居ない君の物語
「ううん、そんな事ない」

「あるよ。俺、結局涼香の事なんも考えられてない。涼香の気持ち全然考えられてない」

いつだってそうだ。

涼香はいつでも、自分が辛くても俺のこと考えてくれてたのに、俺は涼香に何もしてあげられてない…。

俺は涼香に何が出来た?

そんなことを考えてもいい答えは何も浮かんでこない。

「私は、要と一緒にいれて幸せだった。幼馴染だからっていう理由で一緒にいれるだけでも嬉しかったのに、要と付き合えて要の彼女にもなれた。要は、私に何も出来なかったって思ってるかもしれないけど、私にとって要の存在が最高の贈り物だもん。だから……生きていて欲しいの。私の最後のお願い聞いてくれてる?」

知らなかった。

涼香がここまで俺の事を考えて想ってくれてたなんて…。

涼香の事はなんでもわかるって思ってた。
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