明日には居ない君の物語
「ごめん」

自然と溢れた言葉……。

自然と溢れてくる涙……。

今まで何度も思ってきた涼香に対する『好き』が溢れ出して止まらない。

「俺を支えてきてくれたのはいつだって涼香なのに、俺はそんな涼香すらも裏切ろうとしてたんだな」



「要!」



「え…?」

ここには俺と涼香しか居ない筈なのに、聞こえてくる父さんの声。

「もう、時間…かな」

時間って、時間ってなんだよ……!

せっかく涼香に会えたのに、また会えなくなるのかよっ…!!

「ごめんね、要。もう…居なくならなきゃ。タイムリミットだよ」

じゃあねって手を振る涼香。

「涼香。ありがとう、これからもずっと大好きだ」

涼香は俺の方を見て微笑むだけだった。

それでも、あの笑顔は俺が見たかった大好きな涼香の笑顔だった。
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