最愛の日々にピリオドを、
わたしと夕雅は比較的落ち着いている恋人だった。
と言いいたいところだけど、別に静かで大人な恋人、というわけではない。友達スタートの私たちの関係は付き合っても大きな変化はなく、友達のような、相棒のような、親友のような、そんな付き合いを続けていた。
もちろん、付き合ってからは喧嘩するようになったし、ちょっと素直になってみたし、嫉妬もするようになったから確実に変化はあった。
それでもずっと、私たちはそばに居ることへの安心が一番だったとも思う。
夕雅と一緒にいる自分が好きだった。
誰かに好きでいてもらえることがどれだけ幸せなことか、私は夕雅に教えてもらったと思う。
それと同じ分だけ、わたしも同じことを彼に伝えることができたのかは、わからない。
周りからしたら私たちは親友の延長で付き合って、こんな関係をそのままずっと続けていくだろうと思われている。
もはや夫婦テンションだよね、と言われても別に今まで1度も否定はしてこなかった。恋人に対するドキドキやモヤモヤを話せる乙女たちとは違って、わたしから出るのは夕雅の文句とくだらない日常だった。
それでも確かに私は夕雅のことが好きだった。
大学生になって1番の出会いであり、1番大切だった人であり、1番一緒にいた相手だった。
恋人になるまでえらい時間がかかったけれど、それも私たちはお互いに友達としか見られてないと思っていたからしょうがないと思う。
1年間友達を続けて、2年目に変化して、3年で安定して、4年目の今がある。
そんな4年目も、もう終わろうとしている。