最愛の日々にピリオドを、
「喧嘩したらさ、向こうの駅のケーキ屋でモンブラン買ってくれたよね」
「それがないと許して貰えねえと思ってたわ」
「そういう問題じゃないでしょ」
「まあ、たまには甘やかそうとは思ってたと思う」
「……夕雅は基本わたしに甘いよ、意外と」
「あー、バレてた?俺結構お前が嬉しそうにしてるのとか楽しそうなのとか見てんの好きだったからな」
「なにそれ、初耳なんですけど」
「言ってねえもん」
「言われてたら多分、照れ隠しでぶん殴ってたと思う」
「物騒だけどぜってー可愛いだろうから言えばよかったな」
「……ここぞとばかりにそういう今まで数える限りしか言わなかったこと言ってくるの何?」
「後悔するかもしんねーだろ、ちゃんと可愛がってたよって伝えてやろうと思って」
「ちなみに言われなくても可愛がられてるんだろうな、と思ってたけどね。狸寝入りしてたら夕雅いつつもわたしのほっぺた触ってかわいーって言ってたし」
「ここぞとばかりに恥ずかしいネタ出してくんのやめろよ」
「酔っ払って上機嫌のときにめちゃくちゃ甘えてきて呉羽以上にいい女絶対いない、とか言ってた」
「それどうやって俺の記憶から消したの?」
「そのあとも浮かれてめちゃくちゃ自分で飲んでたからあんたが勝手に忘れたのよ」
「結局言わなくてもバレバレじゃねえか」
「でももっと言葉にしてくれればいいのにって思ってたけどね」