孤高の脳外科医は初恋妻をこの手に堕とす~契約離婚するはずが、容赦なく愛されました~
「なんで。今年の三が日、オンコール明けで一緒に神社行った時、霞、力入れて、『今年は結婚!』ってお賽銭奮発してたじゃない」
テーブルに両腕をのせて、身を乗り出してくる。
「……まあ、そうなんだけど」
今年初めの自分に苦い気分になり、私は頬を引き攣らせて溜め息をついた。
「浮気されて、振られた」
顔の前で組み合わせた手に額をのせ、短く自嘲気味に答える。
操が、「オー、ノー」と外国人みたいなリアクションをして、天井を仰いだ。
「半年くらい前までは、入籍するって報告、いつかなって思ってたのよ。聞く前に半年過ぎてたわ」
そして、なにか思いついたように首を捻り……。
「そのわりに、霞、最近寮にいないわよね。おかげで、霞に言われるまで気付けなかった」
不信げに眉をひそめる。
私はぎくりと肩を強張らせた。
剛と別れたことは、親友の操にも話していなかった。
彼女に言われた通り、今年のお正月には『今年は結婚!』と神頼みまでした相手と、一年もたずに終わったのが惨めだったのもあるし、なによりその後の展開を上手く説明できる自信がなかったせい。
「ええと……実家に帰ってて」
目を泳がせて答える私に、操の目力は緩まない。
「なんでわざわざ」
「ほ、ほら。私、一人で勝手に落合君と結婚するつもりでいたからさ。ダメになったって言ったら、両親揃って心配して」
テーブルに両腕をのせて、身を乗り出してくる。
「……まあ、そうなんだけど」
今年初めの自分に苦い気分になり、私は頬を引き攣らせて溜め息をついた。
「浮気されて、振られた」
顔の前で組み合わせた手に額をのせ、短く自嘲気味に答える。
操が、「オー、ノー」と外国人みたいなリアクションをして、天井を仰いだ。
「半年くらい前までは、入籍するって報告、いつかなって思ってたのよ。聞く前に半年過ぎてたわ」
そして、なにか思いついたように首を捻り……。
「そのわりに、霞、最近寮にいないわよね。おかげで、霞に言われるまで気付けなかった」
不信げに眉をひそめる。
私はぎくりと肩を強張らせた。
剛と別れたことは、親友の操にも話していなかった。
彼女に言われた通り、今年のお正月には『今年は結婚!』と神頼みまでした相手と、一年もたずに終わったのが惨めだったのもあるし、なによりその後の展開を上手く説明できる自信がなかったせい。
「ええと……実家に帰ってて」
目を泳がせて答える私に、操の目力は緩まない。
「なんでわざわざ」
「ほ、ほら。私、一人で勝手に落合君と結婚するつもりでいたからさ。ダメになったって言ったら、両親揃って心配して」