孤高の脳外科医は初恋妻をこの手に堕とす~契約離婚するはずが、容赦なく愛されました~
オペは一週間後。
それまでに、通常時を遥かに上回る、たくさんの術前検査を行う必要がある。
リハビリテーション科のスタッフたちと、検査スケジュールを綿密に打ち合わせた後、カンファレンスは散会した。
一色先生は木山先生と、霧生君は剣崎先生と、会議室に残って話し込んでいる。
それを横目に、私と操は会議室から出た。
二人揃って、意味もなく息を潜めて廊下を歩き――。
「……ふーっ」
操が先に、お腹の底から大きく息を吐き出した。
「新年早々、いきなりすごいオペに抜擢されちゃったわねー」
やや斜め上に目線を向け、ボヤくような口調だけど、任された大役に興奮しているのが感じられる。
「手術室看護師として、能力を認めてもらったってことよね。皆の足引っ張らないように、頑張らなきゃ……」
私が胸の高さでギュッと拳を握りしめた時。
「気合はいいが、気負いは必要ない。いつもの調子で臨んでほしい」
背後から声をかけられ、私と操は弾かれたように振り返った。
小脇に資料を抱えた一色先生と霧生君が、追いついていた。
「あっ……」
霧生君と目が合い、私はドキッと胸を弾ませた。
ピタリと足を止めた私たちの横を、木山先生と剣崎先生が軽い目礼をして通り過ぎていく。
操と揃って一礼して、私は改めて脳外科の二人に向き直った。
それまでに、通常時を遥かに上回る、たくさんの術前検査を行う必要がある。
リハビリテーション科のスタッフたちと、検査スケジュールを綿密に打ち合わせた後、カンファレンスは散会した。
一色先生は木山先生と、霧生君は剣崎先生と、会議室に残って話し込んでいる。
それを横目に、私と操は会議室から出た。
二人揃って、意味もなく息を潜めて廊下を歩き――。
「……ふーっ」
操が先に、お腹の底から大きく息を吐き出した。
「新年早々、いきなりすごいオペに抜擢されちゃったわねー」
やや斜め上に目線を向け、ボヤくような口調だけど、任された大役に興奮しているのが感じられる。
「手術室看護師として、能力を認めてもらったってことよね。皆の足引っ張らないように、頑張らなきゃ……」
私が胸の高さでギュッと拳を握りしめた時。
「気合はいいが、気負いは必要ない。いつもの調子で臨んでほしい」
背後から声をかけられ、私と操は弾かれたように振り返った。
小脇に資料を抱えた一色先生と霧生君が、追いついていた。
「あっ……」
霧生君と目が合い、私はドキッと胸を弾ませた。
ピタリと足を止めた私たちの横を、木山先生と剣崎先生が軽い目礼をして通り過ぎていく。
操と揃って一礼して、私は改めて脳外科の二人に向き直った。