孤高の脳外科医は初恋妻をこの手に堕とす~契約離婚するはずが、容赦なく愛されました~
意識の遠いところから、チュンチュンと音が聞こえる――。
鳥の囀りだ、と認識すると同時に、私はぼんやりと目蓋を持ち上げた。
視界に映るのは、うっすらと白んだ私の部屋。
家具やテレビの輪郭は、はっきり捉えられる。
枕元に置いたスマホを手探りして、時刻を確認した。
朝五時半。
アラームをセットした時間まで、まだ余裕がある。
私は、モゾッと上体を起こした。
昨夜は普段と同じように過ごそうと意識して、いつも通り十一時半頃ベッドに入った。
なんとなく寝つけなかった感がある。
操や霧生君に言われた通り、しっかり眠れた気はしないのに、頭が重くもないし、痛くもない。
むしろ、すっきりと冴えていた。
ほどよく残った緊張感で気が引き締まっているのか、体調もバッチリだった。
二度寝するのがもったいなくて、私はベッドから降りた。
部屋着のフリースに袖を通しながら窓辺に立ち、勢いよくカーテンを開ける。
窓から挿し込む光はまだ弱いけど、朝焼けの東の空がキラキラ輝いていた。
気持ちのいい朝。
身体の奥底から、沸々と力が沸いてくる。
「……よし」
私は両手でパンと頬を叩き、気合を注入した。
――大丈夫。
絶対に、上手くいく。
鳥の囀りだ、と認識すると同時に、私はぼんやりと目蓋を持ち上げた。
視界に映るのは、うっすらと白んだ私の部屋。
家具やテレビの輪郭は、はっきり捉えられる。
枕元に置いたスマホを手探りして、時刻を確認した。
朝五時半。
アラームをセットした時間まで、まだ余裕がある。
私は、モゾッと上体を起こした。
昨夜は普段と同じように過ごそうと意識して、いつも通り十一時半頃ベッドに入った。
なんとなく寝つけなかった感がある。
操や霧生君に言われた通り、しっかり眠れた気はしないのに、頭が重くもないし、痛くもない。
むしろ、すっきりと冴えていた。
ほどよく残った緊張感で気が引き締まっているのか、体調もバッチリだった。
二度寝するのがもったいなくて、私はベッドから降りた。
部屋着のフリースに袖を通しながら窓辺に立ち、勢いよくカーテンを開ける。
窓から挿し込む光はまだ弱いけど、朝焼けの東の空がキラキラ輝いていた。
気持ちのいい朝。
身体の奥底から、沸々と力が沸いてくる。
「……よし」
私は両手でパンと頬を叩き、気合を注入した。
――大丈夫。
絶対に、上手くいく。