孤高の脳外科医は初恋妻をこの手に堕とす~契約離婚するはずが、容赦なく愛されました~
酒巻さんには、正午前後に術中覚醒というタイムスケジュールを渡している。
予定通り順調で、私もほんの少し安堵の息を吐いた。
「では、クリッピング開始します」
一色先生の一声を待って、私はクリップ鉗子とクリップを渡した。
さすがスーパードクターだ。
一色先生は鮮やかな手つきで、クリップを動脈瘤にかけていく。
それほど時間もかからず、適切な位置で閉じられた。
「セラピストさんたち、あと十分で入室します」
オペの進行に合わせて、リハビリテーション科のスタッフに電話連絡をしていた操が、報告を挟んだ。
「了解。鹿野さん、MEP測定、五分置き。茅萱さん、ドップラー準備」
「はい」
クリッピング後、血流が遮断されていないか確認する途中で、リハビリテーション科のスタッフたちが入室してきた。
彼らが霧生君と一言二言交わす様を横目に、
「血流良好。クリッピング処置終了します」
「自発呼吸確認。抜管します」
一色先生が宣言し、剣崎先生が酒巻さんの頭頂部に回った。
まず一つ、クリッピング処置は成功……ここまでは一分たりとも時間を無駄にせず、効率よく進行している。
操が、用意していた能楽のCDをかけ始めた。
笛や鼓といった和楽器の演奏が響く中、
予定通り順調で、私もほんの少し安堵の息を吐いた。
「では、クリッピング開始します」
一色先生の一声を待って、私はクリップ鉗子とクリップを渡した。
さすがスーパードクターだ。
一色先生は鮮やかな手つきで、クリップを動脈瘤にかけていく。
それほど時間もかからず、適切な位置で閉じられた。
「セラピストさんたち、あと十分で入室します」
オペの進行に合わせて、リハビリテーション科のスタッフに電話連絡をしていた操が、報告を挟んだ。
「了解。鹿野さん、MEP測定、五分置き。茅萱さん、ドップラー準備」
「はい」
クリッピング後、血流が遮断されていないか確認する途中で、リハビリテーション科のスタッフたちが入室してきた。
彼らが霧生君と一言二言交わす様を横目に、
「血流良好。クリッピング処置終了します」
「自発呼吸確認。抜管します」
一色先生が宣言し、剣崎先生が酒巻さんの頭頂部に回った。
まず一つ、クリッピング処置は成功……ここまでは一分たりとも時間を無駄にせず、効率よく進行している。
操が、用意していた能楽のCDをかけ始めた。
笛や鼓といった和楽器の演奏が響く中、