孤高の脳外科医は初恋妻をこの手に堕とす~契約離婚するはずが、容赦なく愛されました~
「僕も君も休みだし。霞をドキドキさせ続けて、休日を過ごすのも」
ちょっと挑発的に目を細め、私をひょいと横抱きにして抱え上げる。
「えっ……い、今から?」
思わず彼の首にしがみついて、声を上擦らせる私に、
「煽っといて、惚けるの?」
困ったように目尻を下げた。
「だ、だって。フレンチトースト……」
私はソワソワして、彼から視線を逸らす。
一瞬の間の後――。
「……ぶっ」
霧生君が吹き出した。
「ほんと……君は」
くっくっと肩を揺らしながら、私を床に下ろす。
「色気より、食い気だね。じゃ、ブランチが先。シャワー浴びといで」
背を屈めて私を覗き込み、軽く握った拳で額を小突く。
「! う、うん」
私は条件反射で額に手を当ててから、彼にくるっと背を向けた。
キッチンから出かかったものの、ピタリと足を止め、そっと振り返る。
霧生君は、キッチン台に軽く腰かけていた。
私が立ち止まったのに気付かないのか、大きな手で顔を覆って、肩を動かして息を吐く。
「ったく……。こっちは初心者だって、忘れてるだろ……」
耳を真っ赤にして、独り言ちるのを聞いて……。
「……っ」
きゅんと胸が疼く自分に慌てて、私は急いでバスルームに向かった。
ちょっと挑発的に目を細め、私をひょいと横抱きにして抱え上げる。
「えっ……い、今から?」
思わず彼の首にしがみついて、声を上擦らせる私に、
「煽っといて、惚けるの?」
困ったように目尻を下げた。
「だ、だって。フレンチトースト……」
私はソワソワして、彼から視線を逸らす。
一瞬の間の後――。
「……ぶっ」
霧生君が吹き出した。
「ほんと……君は」
くっくっと肩を揺らしながら、私を床に下ろす。
「色気より、食い気だね。じゃ、ブランチが先。シャワー浴びといで」
背を屈めて私を覗き込み、軽く握った拳で額を小突く。
「! う、うん」
私は条件反射で額に手を当ててから、彼にくるっと背を向けた。
キッチンから出かかったものの、ピタリと足を止め、そっと振り返る。
霧生君は、キッチン台に軽く腰かけていた。
私が立ち止まったのに気付かないのか、大きな手で顔を覆って、肩を動かして息を吐く。
「ったく……。こっちは初心者だって、忘れてるだろ……」
耳を真っ赤にして、独り言ちるのを聞いて……。
「……っ」
きゅんと胸が疼く自分に慌てて、私は急いでバスルームに向かった。