婚約破棄を希望していたのに、彼を愛してしまいました。
「親父、光明、病室出てけ。余計なこと言いやがって。次この子に会えるのは退院してからだ」

そう言って、ものすごい形相で2人を追い出した。

何もそこまですることないのにと思ったが、お義母さまはその光景を見て笑うだけで。

意外といつもの光景なんだよね、これが。

それにしても智明、親父だとか言いやがってとか口悪くなりすぎ。

赤ちゃんにその口の悪さ遺伝してないといいんだけど。

「よく眠れたか?」

「うん、すごい爆睡しちゃってたみたいで、いつの間にか外が明るくなっててびっくりしたよ」

「長い時間寝てたからな。あれだけ体力を消耗したんだ、もっと寝てもいいくらいだぞ」

「あんまり寝ると逆に寝たい時に寝れなくなるから、大丈夫だよ。もう少しでおっぱいの時間だし」

「それは俺も見れるのか?」

「いきなり目ランランと輝かせるのやめてもらっていいですか」

ったく、おっぱいどんだけ好きなんだよ。

そんな変態は放っておいて、看護師さんに言われた通りに初めての授乳をした。

自分のおっぱいを吸われるって変な感じだけど、めっちゃ母性溢れてきて何とも言えない気持ちになる。

この子を何がなんでも守らなきゃって心から思った。
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